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「もう、面倒を見たくない。」
そう思ってしまった自分に、ぎょっとした夜はありませんか。
親のことなのに。
育ててもらったのに。
そんな言葉が、頭の中に浮かんでしまう自分が怖い。
先にお伝えします。
親の面倒を見たくないと思うのは、あなたが薄情だからではありません。
それだけ、近くで、逃げずに向き合ってきた証拠です。
この記事では、なぜ「見たくない」という気持ちが生まれるのか、そして「見たくない」と思ったあとに何ができるのかを、90代の父と80代の母を持つ私自身の目線で整理しました。
読み終わる頃には、「見たくないと思ってもいい。そのうえで、選べる道がある」と分かるはずです。
なお、私は介護や法律の資格を持つ専門家ではありません。
だからこそ、この記事の制度や法律の部分は、e-Gov法令検索や厚生労働省の公的資料を一つずつ確認して書いています。
この記事の30秒まとめ
- 「親の面倒を見たくない」と思うのは薄情ではない。同居で主に介護する人のおよそ6人に1人は「ほとんど終日」介護(厚生労働省調査)
- 「見たくない」が生まれるのは、家族だから甘えられ、家族だからいちばん消耗する構造のせい
- 割り切れるプロに一部を渡すほうが、親との関係はかえってうまくいく
- 親の面倒を見る義務(民法877条)はあるが、法律は「支える側の資力」も考慮すると定めている。生活保護のことは福祉事務所へ
- 一人っ子でも、分担相手は兄弟でなくていい。地域包括支援センター・ケアマネジャー・プロが相手になる
親の面倒を見たくない、と思うのは薄情ではありません

「親の介護をしたくない」と口に出すと、まわりから冷たい目で見られそうで、誰にも言えない。
そんな方はとても多いです。
でも、数字を見ると、その気持ちは特別なものではないと分かります。
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によると、同居で主に介護をしている人の15.8%——およそ6人に1人は、介護時間が「ほとんど終日」です。
一日の大半を親のために使う生活が、何か月も、何年も続く。
その中で「見たくない」という気持ちが一度も浮かばない人のほうが、むしろ少ないのではないでしょうか。
しかも、この割合は要介護度が上がるほど増えます。
同じ調査では、「ほとんど終日」の割合は要介護3で29.5%、要介護4で48.5%、要介護5では54.2%。
要介護5では、半数以上が一日中介護をしている計算です。
あなたの限界は、性格の問題ではなく、置かれた状況の重さの問題なのです。
もうひとつ。
同じ調査で、主な介護者が要介護者と同居しているのは46.1%。
半数以上は、離れて暮らしながら、通いや電話で親を支えています。
「同居していないのに、こんなに疲れている自分はおかしいのか」——おかしくありません。あなたも、この記事の読者です。
親が「嫌い」でなくても、見たくなくなる
「親の介護をしたくない」で検索すると、「嫌い」という言葉が一緒に出てきます。
でも、実際には、親を嫌いになったから見たくないのではない方が多いと感じます。
好きだった親が、変わっていく。
その変わっていく姿を、いちばん近くで受け止め続ける。
好きだからこそ、つらい。
「見たくない」は、嫌いの反対側から出てくることのほうが多いのです。
もちろん、本当に親を嫌いな方もいます。
過去の事情を思えば、それは責められることではありません。
嫌いなまま進める道もあります。先に知りたい方はよくある質問のQ1へどうぞ。
娘だと分かってもらえない、家族だから暴言が飛ぶ。「もう見たくない」が生まれる瞬間

私は、親の介護をしている友人から、この話を何度も聞いてきました。
介護は、想像していたよりずっとつらい。
とくに、下の世話。
そこに、認知症が加わる。
毎日世話をしている自分のことを、娘だと分かってもらえない。
それなのに、家族だからと甘えて、きつい言葉をぶつけられる。
そういうときに、「もう面倒を見たくない」と思うのだそうです。

毎日世話してるのに、「あんた誰」って顔されるんだってさ。
それで、きつい言葉まで返ってくる。
そりゃ心が折れるよなぁ…

折れて当然だと思う。
あれで平気な人がいたら、そっちのほうが心配だよ
「高齢の親と、もう関わりたくない」。
そう思う瞬間は、たいてい、こういう場面のあとに来ます。
疲れているときに、いちばん近い人から、いちばん強い言葉が飛んでくる。
それは、誰にとっても耐えがたいことです。
家族だから甘えられる。だから家族がいちばん消耗する

ここで、少し立ち止まって考えてほしいことがあります。
なぜ、親は家族にだけ、あんなにきつく当たるのでしょうか。
ヘルパーさんや看護師さんには、にこやかに「ありがとう」と言うのに。
家族が同じことをすると、文句が返ってくる。
この差に、心当たりのある方は多いと思います。

外の人には愛想がいいのに、うちの親、家族にだけ当たりが強いんだよなぁ。
なんでだろう

家族には甘えがあるからだと思うよ。
平気で無理を言うし、暴言も出る。
で、こっちもつい感情が出る。
近すぎるんだよ、お互いに
私の実感も、これです。
家族には、甘えがあります。
だから、平気で無理を言うし、暴言も出る。
そして、言われた側も家族だから、つい感情が出てしまう。
親が悪いわけでも、あなたが悪いわけでもありません。
「いちばん近い人に、いちばん甘える」という、人のあたりまえの性質が、介護の場面ではいちばん近い人を消耗させる形で出てしまう。
ただ、それだけのことなのです。
「押し付けられた」「逃げたい」は、限界を知らせる合図
「親の面倒を押し付けられた」と感じる。
「親の介護から逃げたい」と思う。
そういう気持ちが浮かんだときは、性格を反省するときではなく、負担の形を変えるときです。
気持ちを押し殺して続けても、その先にあるのは、あなたが倒れることか、親に強く当たってしまうことか、どちらかです。
どちらも、あなたが望んでいる形ではないはずです。
もし、「手を上げてしまいそうだ」と感じた夜があるなら、それは今日、市町村の高齢者福祉の窓口か地域包括支援センターに電話する合図です。
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」という法律は、名前のとおり、介護する家族(養護者)への支援も目的に含んでいます。
窓口は、家族を責める場所ではなく、家族を助ける場所です。
割り切れるプロに渡すほうが、親との関係はうまくいく

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
「家族だから甘えられて、家族だから消耗する」のなら、答えはひとつです。
近すぎない人に、一部を渡すこと。
仕事として介護をしているプロの介護士さんには、仕事としての割り切りがあります。
血のつながりから来る、近すぎる感情もありません。
だから、親との人間関係は、家族が抱え込むよりもスムーズにいくことが多い。
これは私が、まわりを見ていて強く感じていることです。
「親を見捨てる罪悪感」を持つ方は多いです。
でも、順番が逆です。
家族が倒れてしまったら、親を支える人がいなくなります。
プロに一部を渡すことは、親を見捨てることではなく、親との関係を守るための手段です。
在宅のまま「一部だけ」渡す=訪問介護という手
いきなり施設、と考えなくて大丈夫です。
まずは、いちばんつらい部分だけを渡す。
たとえば、下の世話や入浴のように、家族だからこそ消耗する場面です。
介護保険の訪問介護は、要介護認定を受けたうえで、ケアマネジャーに相談して組み立てます。
まだ認定を受けていないなら、入口は市町村の地域包括支援センターです。
「家族が限界に近い」と、そのまま伝えてください。
介護保険の枠だけでは足りない時間や、保険では頼めない内容が出てきたら、自費(保険外)の訪問介護という選択肢もあります。
たとえば「イチロウ」は、保険外で時間や内容を柔軟に頼めるサービスです。
料金や使いどころは別の記事で正直に検証していますが、「家族が抱え込まないための、もうひとつの手」として知っておいて損はありません。
施設という選択肢は、「情報を集める」段階から始めていい
「もう在宅では無理かもしれない」と感じているなら、施設の情報だけでも先に集めておくことをおすすめします。
入れるかどうかを決めるのは、あとでいい。
選択肢を知っているだけで、気持ちの余裕がまるで違います。
私自身、90代の父と80代の母について、施設への入居を真剣に検討した経験があります。
最初に手が止まったのは、施設の種類の多さでした。
特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、住宅型、サ高住——名前は聞いたことがあっても、費用も入居条件もまるで違う。
「そもそもうちの親はどの種類に入れるのか」が分からず、自治体の窓口と検索サイトを行き来して、情報集めだけで消耗しました。
そこを無料で一緒に整理してくれるのが、老人ホームの紹介サービスです。
「まだ検討中」の段階でも、無料で相談できます
「いい介護」は、口コミ・動画・費用や空室状況から全国の老人ホーム・介護施設を比較できる検索サイトです。経験豊富な専門の入居相談員に、施設探しのお困りごとから見学予約まで無料で相談できます。運営は、東証プライム上場の株式会社鎌倉新書のグループ会社・株式会社エイジプラスです。
「いい介護」で施設を探す・相談する(無料)プロに渡すと、いくらかかる? 訪問介護・ショートステイの費用と自己負担のしくみ

「プロに渡そう」と言われて、次に浮かぶのは「で、いくらかかるの?」だと思います。
正確な金額は要介護度と地域と事業所で変わりますが、枠組みは3つだけです。
これを知っているだけで、ケアマネジャーさんとの話がぐっと具体的になります。
① 介護保険の自己負担は1〜3割。訪問介護の料金は1割負担なら1回数百円
介護保険のサービスを使ったときの自己負担は、かかった費用の1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です(厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」)。
訪問介護の目安も、公的なページに載っています。
1割負担の場合、身体介護(30分以上1時間未満)で1回387円、生活援助(45分以上)で1回220円です(同「訪問介護(ホームヘルプ)」)。
「思ったより小さい」と感じた方が多いのではないでしょうか。
いちばんつらい部分を週に数回渡すだけなら、月に数千円の世界です。
② 月に使える枠(区分支給限度基準額)を超えなければ、1〜3割のまま
居宅サービスには、要介護度ごとに1か月に使える枠(区分支給限度基準額)が決められています。
たとえば要介護1で167,650円、要介護3で270,480円、要介護5で362,170円です(出典は同じページ)。
この枠の中で使う分は、自己負担1〜3割のまま。
枠を超えた分は全額自己負担になるので、「どこまで枠内で組めるか」をケアマネジャーさんと設計することになります。
③ 払いすぎた月は「高額介護サービス費」で戻ってくる
月々の自己負担の合計が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分は申請すると介護保険から支給されます。
これが高額介護サービス費です。申請先は市区町村です。
「使いすぎたらどうしよう」の答えは、制度の側にすでに用意されています。
数日だけ離れたいときのショートステイ(短期入所生活介護)も、同じ1〜3割負担のしくみで使えます。
限界が近いときは、空きを待たずに「緊急でショートステイを使いたい」とケアマネジャーさんか地域包括支援センターに相談してください。
そして、介護保険の枠で足りない部分だけを、自費のサービスで埋める。
この順番なら、お金の不安を最小限にしてプロに渡せます。
親の面倒を見る義務はどこまで? お金がない親と生活保護の話

「お金がない親の面倒を見たくない。でも、法律で見なければならないと決まっているのでは」。
この不安を抱えている方のために、法律に書いてあることだけを、そのまま確認しておきます。
先にお断りしておくと、ここに書くのは条文の内容であって、あなたの家の場合にどうなるかの判断ではありません。
個別の判断は、あとで紹介する相談窓口に委ねてください。
親の扶養義務は「ある」。ただし法律は、支える側の資力も考慮すると定めている
民法877条は、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定めています(e-Gov法令検索・民法)。
親から見た子どもは直系血族ですから、親を扶養する義務は、子どもにあります。
ここは、はっきりしています。
ただし、同じ民法の879条は、扶養の程度や方法について、話し合いがまとまらないときは「扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める」としています。
「扶養義務者の資力」——つまり、支える側の生活の余力も、考慮する要素として法律に書かれています。
「義務がある=自分の生活を壊してでも」という意味では、条文上、書かれていないのです。
もうひとつ。
民法877条が定めているのは、あくまで「扶養」の義務です。
そして879条は、その程度や方法がまとまらないときは、協議または家庭裁判所が定める、という建て付けになっています。
兄弟がいる場合の分担や、話し合いがまとまらないときの家庭裁判所の手続き(扶養請求調停)については、「親の介護は私ばかり…兄弟との温度差を責め合いにしない話し合いの進め方」にまとめています。
お金がない親と生活保護。条文にあるのは「扶養は保護に優先する」まで
親にお金がなく、生活保護のことが頭をよぎっている方もいると思います。
ここは、とくに慎重に、条文と厚生労働省の説明だけを引きます。
生活保護法4条2項は、「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする」と定めています(e-Gov法令検索・生活保護法)。
厚生労働省の生活保護制度のページでも、「扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します」「親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください」と説明されています。
読み方として大事なのは、ここに書かれているのが「援助を受けることができる場合は」という条件つきの文であることです。
「子どもがいる親は生活保護を受けられない」とは、条文にも厚生労働省の説明にも書かれていません。
そして、同じ4条の3項には「前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない」ともあります。
「援助できるかどうか」を判断するのは、家族の思い込みではなく、福祉事務所です。
厚生労働省のページにあるとおり、生活保護の相談・申請窓口は、親が住んでいる地域を担当する福祉事務所の生活保護担当です。
「子どもの自分がいるから無理だろう」と決めつけて相談をやめてしまう前に、まず親の住む地域の福祉事務所か、地域包括支援センターに、事情をそのまま話してみてください。
「扶養照会」が怖い方へ。令和3年3月から運用が変わっています
生活保護の相談をためらう理由で多いのが、「役所から自分に問い合わせ(扶養照会)が来るのではないか」という不安だと思います。
この扶養照会は、令和3年3月に厚生労働省の通知で運用が見直され、「扶養義務の履行が期待できない」と判断される親族には行わないこととされています。
自治体の公式ページ(例:仙台市「扶養照会について」)では、その具体例として次のような場合が挙げられています。
- 親族側が、生活保護受給者・社会福祉施設の入所者・長期入院患者・主たる生計維持者ではない・未成年・おおむね70歳以上の高齢者 など
- 借金を重ねている、相続をめぐって対立している、縁が切られている、10年程度音信不通など、著しく関係が悪い場合
- 過去に暴力・虐待の経緯があるなど、扶養を求めることが本人の自立を妨げると認められる場合
照会するかどうかを最終的に判断するのは福祉事務所です。
だからこそ、「関係がこうだから照会しないでほしい」という事情は、隠さずそのまま伝えてください。
事情を伝えることが、そのまま判断の材料になります。
一人っ子で逃げ場がないあなたへ

「親の介護をしたくない。でも一人っ子だから、代わりがいない」。
兄弟がいる人には「分担」という言葉がありますが、一人っ子には、それすら無いように感じますよね。
でも、分担の相手は、兄弟でなくていいのです。
ここまで読んでくださった方には、もう分かっていただけると思います。
地域包括支援センター、ケアマネジャー、訪問介護、ショートステイ、そして施設。
一人っ子の分担相手は、最初からプロです。
むしろ、兄弟との温度差でこじれる家庭を見ていると、一人っ子は「誰に頼むか」で迷わなくていい分、動き出しが早いこともあります。
「代わりがいない」のではなく、「頼む相手が最初から決まっている」。
そう捉え直してみてください。
自分の人生を、親の介護で終わらせない

「親の面倒を見ていたら、自分の人生がなくなってしまう」。
この不安は、わがままではありません。
あなたにも、あなたの家族にも、生活があります。

親のことも大事だけどさ、自分の人生まで無くなるのは、やっぱり違うと思うんだよなぁ

違うと思う。
親だって、子どもの人生が潰れるのを望んではいないはずだよ。
元気だった頃の親なら、絶対にそう言う
とくに、仕事を辞めるかどうかで迷っているなら、一度立ち止まってください。
介護のために仕事を辞めると、収入が途切れるだけでなく、社会とのつながりも一度に細くなります。
辞める前に使える制度と、辞めたあとの生活の組み立て方は、「介護離職したら失業手当はどうなる?辞める前に知っておきたいこと」にまとめています。
「親の面倒を見たくない」と思ったあなたが、次にすることは、自分を責めることではありません。
渡せる部分を、渡すこと。
それが、あなたの人生も、親との関係も、両方を守るいちばんの近道です。
よくある質問
Q1. 親のことが嫌いです。それでも介護しなければいけませんか
「嫌い」という気持ちを持ったまま、体を動かす介護を続けるのは、親にとってもあなたにとってもつらい形です。
本文で確認したとおり、民法877条が定めているのは「扶養」の義務で、その程度や方法は協議または家庭裁判所が定める、というのが879条の枠組みです。
お金や手続きの面で関わりつつ、体を動かす部分はプロに渡す。
その形を、地域包括支援センターに相談してみてください。
Q2. 施設に入れたら、親を見捨てたことになりますか
なりません。
家族が倒れてしまったら、親を支える人がいなくなります。
プロに渡すことは、親を見捨てることではなく、あなたが倒れずに親と関わり続けるための手段です。
この記事でお伝えしたとおり、家族だから消耗する部分ほど、プロに渡したほうが親との関係はうまくいきます。
Q3. 親にお金がありません。子どもの私が全部払うことになりますか
この記事で確認したとおり、民法は「扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮」すると定めており、生活保護法は扶養を「保護に優先」させつつ「急迫した事由がある場合」の保護を妨げないとしています。
あなたの家の場合にどうなるかは、条文だけでは決まりません。
親の住む地域の福祉事務所か、地域包括支援センターに、収入や事情をそのまま話して相談してください。
決めつけて相談をやめてしまうのが、いちばんもったいないです。
Q4. 一人っ子です。相談できる相手がいません
相談相手は、最初からプロでいいのです。
親の住む市町村の地域包括支援センターに、「一人っ子で、家族が限界に近い」とそのまま電話してください。
要介護認定がまだなら申請の入口になりますし、すでにケアマネジャーがいるなら、本音の数字(週に何時間、何日)を伝えてください。
Q5. 「面倒を見たくない」と思ってしまう自分が、親不孝に思えます
親不孝な人は、そもそもこの記事を検索しません。
「見たくない」と思ってしまう自分を責めている時点で、あなたは十分に親のことを考えています。
責める代わりに、渡せる部分をひとつ、今週中に誰かに相談してみてください。
まとめ:見たくないと思っていい。そのうえで、渡せる部分を渡す
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「親の面倒を見たくない」と思うのは薄情ではない。同居で主に介護する人のおよそ6人に1人は「ほとんど終日」介護(厚生労働省調査)
- 「見たくない」が生まれるのは、家族だから甘えられ、家族だからいちばん消耗する構造のせい。親のせいでも、あなたのせいでもない
- 割り切れるプロに一部を渡すほうが、親との関係はかえってうまくいく。在宅なら訪問介護(保険内はケアマネジャー、保険外の選択肢もある)、先を見据えるなら施設の情報集めから
- 渡すお金は「自己負担1〜3割」「月の枠(区分支給限度基準額)」「高額介護サービス費」の3つで整理できる。具体額はケアマネジャー・地域包括支援センターで試算を
- 親の扶養義務(民法877条)はある。ただし法律は「扶養義務者の資力その他一切の事情」も考慮すると定めている。生活保護のことは、決めつけずに福祉事務所へ
- 一人っ子の分担相手は、最初からプロ。地域包括支援センターに「家族が限界に近い」とそのまま伝える
「見たくない」と思った自分を、どうか責めないでください。
その気持ちは、あなたが親のいちばん近くで、逃げずにいた証拠です。
今日できるのは、地域包括支援センターの電話番号を調べておくこと。
限界が近いなら、「緊急でショートステイを使えないか」と電話で聞くこと。
それだけで、十分な一歩です。
出典・参考資料
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」(同居の主な介護者の介護時間)
- e-Gov法令検索「民法」(第877条 扶養義務者/第879条 扶養の程度又は方法)
- e-Gov法令検索「生活保護法」(第4条 保護の補足性)
- 厚生労働省「生活保護制度」(相談・申請窓口、保護の要件)
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センター)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(自己負担割合・区分支給限度基準額・高額介護サービス費)
- 同「訪問介護(ホームヘルプ)」(1割負担の場合の利用者負担の目安)
- 仙台市「扶養照会について」(令和3年3月からの扶養照会の運用)
- e-Gov法令検索「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」
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