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親が年をとって、実家に誰も住まなくなる。
そんな日は、ある日とつぜんやってきます。
わが家もそうでした。
妻の両親は80代。長く商売をしてきて、1階と2階が事務所と倉庫、3階が住まいという大きな建物に暮らしていました。
体がきつくなって、小さな家へ移ることに。
あの大きな建物を、どうするか——。
最初は、何もしませんでした。
「とりあえず、そのままで」。
それがいちばんラクに思えたんです。
でも、これがいちばん高くつきました。
この記事は、空き家を「とりあえず放置」するとどうなるか、わが家の実感と、調べて分かった事実をまとめたものです。
親が亡くなって相続した実家でも、施設に入って空いた実家でも、起きることは同じです。
不動産のプロではなく、ただの当事者として書きます。
- 誰も住まない実家を「とりあえず」のままにしていませんか
- 放置がいちばん高くつく|空き家を持ち続ける本当のコスト
- 空き家を放置すると固定資産税が6倍に|「管理不全空家」「特定空家」とは
- 遠方だと「管理するだけ」で疲れてしまう
- 放置をやめると決めたら、道は大きく4つ
- まず「いくらになるか」を知るだけで、気持ちが軽くなる
- 更地にする前に|解体は「税金が上がる」ことがある
- 残された家財は、捨てる前に価値を確かめる
- どうしても売れない・訳ありの実家は
- 名義はそのまま? 2024年義務化の「相続登記」
- 放置をやめると決めるには、家族の温度差を越えて
- 重い腰を上げて、いま思うこと
- よくある質問
- まとめ:放置のコストは、待つほど大きくなる
誰も住まない実家を「とりあえず」のままにしていませんか
わかってはいるんです。
「いつかは片づけないと」。
でも、仕事も家庭もある。
親のことも、自分の暮らしもある。
実家のことは、つい後回しになります。
「急いで決めることもないか」
「もう少し落ち着いてから」
——そうやって、月日だけが過ぎていきました。
気持ちは、よくわかります。
でも、空き家は「待ってくれない」のです。
放置がいちばん高くつく|空き家を持ち続ける本当のコスト
誰も住んでいない家でも、お金は出ていき続けます。
・固定資産税、都市計画税
・火災保険
・電気や水道の基本料金
・たまの掃除や草むしりの交通費
ひとつひとつは小さくても、積もると効いてきます。
わが家も、誰も使っていない建物に、毎年まとまった額を払い続けていました。
「誰も得していないお金だな」と、ため息が出たのを覚えています。
そして、家は人が住まないと、驚くほど早く傷みます。
風を通さない。水を流さない。
それだけで、カビや傷みが進んでいく——。
資産のつもりが、どんどん「お金のかかるお荷物」に変わっていきました。
空き家を放置すると固定資産税が6倍に|「管理不全空家」「特定空家」とは
放置のいちばん怖いところは、ここです。
固定資産税が、最大で6倍になることがあります。
少し、仕組みの話をさせてください。大事なところです。
家が建っている土地には、税金を軽くする特例があります(住宅用地特例)。
200㎡以下の部分は、固定資産税のもとが6分の1に。
だから、家が建っているあいだは税金が抑えられています。
ところが、空き家を放っておいて状態が悪くなると、自治体から指導や勧告を受けることがあります。
2023年に空き家の法律が変わり、「特定空家」の一歩手前に「管理不全空家」という区分ができました。
草木が伸び放題、屋根や壁が傷んでいる——。
そういう家が対象です。
そして勧告まで進むと、あの住宅用地特例が外れます。
特例が外れると、土地の固定資産税は最大でおよそ6倍に。
「放っておいただけ」で、税金が跳ね上がるのです。
(出典:総務省「固定資産税(住宅用地の特例措置)」/国土交通省「改正空家法(令和5年)」/政府広報オンライン)
ただ、放置してすぐに6倍になるわけではありません。
自治体からの指導・勧告というステップがあり、それでも改善されない場合に、はじめて特例が外れます。
逆に言えば、早めに動けば十分に防げる、ということです。
「うちはまだ大丈夫」と思っているうちが、いちばん危ない。
わが家も、この話を知って、ようやく本気で動き出しました。
放置すると固定資産税が上がる仕組み(イメージ図)
特例あり
(軽減中=1)
特例が外れると
最大 約6倍
※あくまでイメージです。実際の税額は土地の評価額や自治体によって異なります。
遠方だと「管理するだけ」で疲れてしまう

もうひとつ、地味につらいのが「管理の手間」です。
実家が遠いと、様子を見にいくだけで一日仕事。
郵便受けの整理、換気、庭の草むしり。
近所への気づかいも、ずっと続きます。
「ご近所に迷惑をかけていないか」
これが、地味に心の重しになります。
放火やゴミの不法投棄、台風での屋根の飛散——。
空き家は、近所トラブルの火種にもなりかねません。
「自分の家のことなのに、気が休まらない」。
これが、放置のもうひとつのコストでした。
放置をやめると決めたら、道は大きく4つ
重い腰を上げると決めたら、実家の行き先は、ざっくり4つでした。
・売る……まとまったお金になり、管理から解放される
・貸す……賃料は入るが、管理は続く
・解体して更地に……売りやすくなるが、費用と税金に注意
・当面きちんと管理して残す……思い出は残るが、コストは続く
どれにもいい面とつらい面があって、わが家は本当に迷いました。
この「売る・貸す・解体・残す」の中身と、最終的にどう決めたかは、別の記事にくわしく書いています。
迷っている方は、こちらもどうぞ。
※4つの選び方と、わが家が決めるまで → 実家じまいで売る・貸す・解体に迷った話
まず「いくらになるか」を知るだけで、気持ちが軽くなる
動けない理由の多くは、「分からない」と「こわい」です。
いくらかかるのか。いくらで売れるのか。
それが見えないから、手が止まる。
わが家も、最初の一歩は「査定」でした。
無料で、今いくらの価値があるかを知る。
売る・売らないは、その数字を見てから決めればいい——。
そう思えたら、ふっと肩の力が抜けました。
築古でも、地方でも、まずは聞いてみる価値があります。
数字が出ると、家族の話し合いも一気に進みます。
※貸すことを考えるなら、借り上げてくれる会社に任せる方法もあります(対応エリアは限られます)。
※対応エリア:東京1都3県・大阪・福岡・名古屋。エリア外の方は売却か解体をご検討ください。
更地にする前に|解体は「税金が上がる」ことがある
「いっそ壊して更地に」と考える方も多いですが、ひとつ注意を。
住宅用地特例は「家が建っていること」が条件なので、更地にすると特例が外れ、土地の固定資産税が上がることがあります(税額は1月1日時点で決定)。
放置しても、更地にしても税金は上がりうる——だからこそ、まず査定で現実の数字を知るのが近道でした。
※売る・貸す・解体のどれを選ぶかは、実家じまいで売る・貸す・解体に迷った話でわが家の決断を詳しくまとめています。
残された家財は、捨てる前に価値を確かめる

家を動かす前に、中のものを片づける必要があります。
食器、着物、古い家具、写真、商売の道具——。これが想像以上に大変でした。
古い焼き物や着物には、思わぬ価値があることも。私は古物の仕事もしてきたので「捨てる前に査定を」と判断できました。
量が多くて手が回らない分は、空き家の清掃・不用品回収・遺品整理のプロに相見積もりでお願いしました。
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※対応エリア限定(関東〜一部地域)。骨董・美術品の専門査定は提携準備中です。
※家財・遺品整理のくわしい進め方は、こちらにまとめています → 親の遺品整理(費用と業者の選び方)/大量の着物は 実家を売ったら大量の着物が出てきた話
どうしても売れない・訳ありの実家は
一般の仲介では、なかなか売れない家もあります。
田舎で買い手がつきにくい。
事情があって、ふつうには売りづらい——。
そういう家でも、あきらめなくて大丈夫です。
売りにくい不動産を専門に買い取る会社があります。
「うちは無理かも」と思う家ほど、一度きいてみる価値があります。
名義はそのまま? 2024年義務化の「相続登記」
親が亡くなって相続した家は、名義を相続人へ変えないと売ることも貸すこともできません。
この「相続登記」は2024年4月から義務化。相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象で、2024年4月より前に相続した家も対象(期限は2027年3月末)です。
(参考:東京法務局/政府広報オンライン)
登記や相続税は、専門家に一度相談すると見通しがよくなります。手続きを含めた売却の流れは、実家じまいの記事もあわせてどうぞ。
放置をやめると決めるには、家族の温度差を越えて

いちばん消耗したのは、家のことより「家族で気持ちをそろえる」ことでした。
「もう少し置いておけば」「いや、このまま放っておくほど負担が増える」——離れて暮らす兄弟ほど、温度差が出ます。
わが家がうまくいったのは、「お金の話」より先に「気持ちの話」をしたから。
さみしいよね、と認め合ってから、現実的な数字を一緒に見る。そして“放置の期限”を決める。
この順番が、停滞から抜け出す鍵でした。
重い腰を上げて、いま思うこと

動いてみて、いちばん感じたのは——
「もっと早く動けばよかった」でした。
放置していた数年で、税金も管理の手間もかかり続けました。
建物も、その間に傷んでいきました。
早く動けば、その分だけラクだったはずです。
宙ぶらりんの時間が、いちばんしんどい。
「いつか決める」を「今、少しだけ動く」に変える。
それだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。
もし今、同じところで止まっているなら。
まずは「いくらになるか」を知るだけでも大丈夫です。
査定は無料。売る・売らないは、そのあとで決めればいいのですから。
よくある質問
Q. 空き家のままだと、固定資産税はどうなりますか?
家が建っているうちは、住宅用地特例で軽くなっています。
ただし管理が悪く「管理不全空家」「特定空家」に勧告されると、その軽減が外れ、最大でおよそ6倍になることがあります。
Q. 何年くらい放置すると、特定空家になりますか?
「何年で」という決まりではなく、家の状態で判断されます。
草木の繁茂、屋根や壁の傷み、衛生上の問題などがあると、年数に関係なく対象になり得ます。
Q. 遠くて通えない実家は、どう管理すれば?
自分で通うのが難しいなら、早めに「売る・貸す・解体」のどれかへ動くのが現実的です。
まずは無料査定で数字を知ると、判断しやすくなります。
Q. 田舎で売れそうにない実家は?
一般の仲介で売りにくい家でも、買取を専門にする会社があります。
「うちは無理かも」と思う家ほど、一度きいてみてください。
まとめ:放置のコストは、待つほど大きくなる
誰も住まない実家を放っておくと、
税金、管理の手間、建物の傷み——。
コストは、待つほど大きくなります。
最悪の場合、固定資産税が最大6倍になることも。
でも、最初の一歩は小さくて大丈夫です。
「売る・貸す・解体・残す」のどれにするかは、まだ決めなくていい。
まずは無料の査定で、実家が「いま、いくらか」を知る。
そこから、すべてが動き出します。
宙ぶらりんの時間を、これ以上のばさないために。
今日、その小さな一歩を。
※「売る・貸す・解体」で迷ったら → 実家じまいで売る・貸す・解体に迷った話
※親の終活は、家のことだけではありません。あわせて読みたい → 親の遺品整理/家族葬の費用/親のお墓選び
ご利用にあたって
本記事は執筆者個人の経験に基づく情報です。税制や法律は、個々の状況やお住まいの自治体によって適用が異なります。相続税・固定資産税の計算や、登記の手続きについては、必ず税理士・司法書士、または各自治体の窓口にご相談ください。制度は改正されることがあるため、最新の内容は公的機関の情報もあわせてご確認ください。
最終更新日:2026年6月


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