実家じまいブログ|商売をしていた義父母の家を手放すまでの記録

※本記事はプロモーションを含みます。

誰も住まなくなった実家(空き家)が静かに建っているイメージイラスト

親が年をとって、実家に誰も住まなくなる。
そんな日は、ある日とつぜんやってきます。

わが家もそうでした。
妻の両親は80代。長く商売をしてきて、1階と2階が事務所と倉庫、3階が住まいという大きな建物に暮らしていました。
体がきつくなって、小さな家へ移ることに。
あの大きな建物を、どうするか——。

最初は、何もしませんでした。
「とりあえず、そのままで」。
それがいちばんラクに思えたんです。

でも、これがいちばん高くつきました。
誰も住んでいない期間も、義父母は固定資産税だけで年間100万円を超える額を払い続けていました。
そこに火災保険と、止めずにいた電気・ガス・水道が乗ります。
1階と2階が事務所と倉庫という、大きな建物だったからです。

この記事は、空き家を「とりあえず放置」するとどうなるか、義父母が実際に払っていた固定資産税の額と、調べて分かった事実をまとめたものです。
親が亡くなって相続した実家でも、施設に入って空いた実家でも、起きることは同じです。
不動産のプロではなく、ただの当事者として書きます。

誰も住まない実家を「とりあえず」のままにしていませんか

わかってはいるんです。
「いつかは片づけないと」。

でも、仕事も家庭もある。
親のことも、自分の暮らしもある。
実家のことは、つい後回しになります。

「急いで決めることもないか」
「もう少し落ち着いてから」
——そうやって、月日だけが過ぎていきました。

気持ちは、よくわかります。
でも、空き家は「待ってくれない」のです。

放置がいちばん高くつく|空き家を持ち続ける本当のコスト

誰も住んでいない家でも、お金は出ていき続けます。

・固定資産税、都市計画税
・火災保険
・電気や水道の基本料金
・たまの掃除や草むしりの交通費

ひとつひとつは小さくても、積もると効いてきます。
そして建物が大きければ、その額は「小さく」ありません。

義父母が払い続けていたもの

  • 固定資産税……年間100万円超
  • 火災保険
  • 電気・ガス・水道の基本料金
  • 様子を見にいく手間と時間

※1階・2階が事務所と倉庫、3階が住まいという大きな建物でした。一般的な戸建てなら、ここまでの金額にはなりません。税額は土地・建物の評価額で決まるため、家によって大きく変わります。

誰も使っていない建物に、これだけ出ていく。
「誰も得していないお金だな」と、ため息が出たのを覚えています。

そして、家は人が住まないと、驚くほど早く傷みます。
風を通さない。水を流さない。
それだけで、カビや傷みが進んでいく——。
資産のつもりが、どんどん「お金のかかるお荷物」に変わっていきました。

空き家を放置すると固定資産税が6倍に|「管理不全空家」「特定空家」とは

放置のいちばん怖いところは、ここです。
固定資産税が、最大で6倍になることがあります。

少し、仕組みの話をさせてください。大事なところです。

家が建っている土地には、税金を軽くする特例があります(住宅用地特例)。
200㎡以下の部分は、固定資産税のもとが6分の1に。
あわせて都市計画税も3分の1に軽くなります。
だから、家が建っているあいだは税金が抑えられています。

ところが、空き家を放っておいて状態が悪くなると、自治体から指導や勧告を受けることがあります。
2023年に空き家の法律が変わり、「特定空家」の一歩手前に「管理不全空家」という区分ができました。
草木が伸び放題、屋根や壁が傷んでいる——。
そういう家が対象です。

そして勧告まで進むと、あの住宅用地特例が外れます。
特例が外れると、土地の固定資産税は最大でおよそ6倍に。
「放っておいただけ」で、税金が跳ね上がるのです。
(出典:総務省「固定資産税(住宅用地の特例措置)」国土交通省「改正空家法(令和5年)」政府広報オンライン

ただ、空き家にした瞬間に6倍になるわけではありません。
順番があります。

まず市区町村から助言・指導があります。
それでも状態が改善しない場合に、はじめて勧告へ進みます。
そして軽減が外れるのは、この「勧告」を受けた敷地です。

つまり、助言・指導の段階で直せば、勧告には進みません
「もう手遅れかもしれない」と思っている方にこそ、ここを知っておいてほしいのです。
(出典:政府広報オンライン

もうひとつ、覚えておくと落ち着けることがあります。
その年の固定資産税が決まるのは、毎年1月1日時点(賦課期日)の状態です。
(出典:東京都主税局

なお「6倍」は、軽減が丸ごと外れたときの上限にあたる数字です。
実際にいくら上がるかは土地の評価額や自治体によって変わります。
正確な金額は、必ずお住まいの市区町村の税務課にご確認ください。

うちは該当する? 「特定空家」と認められる4つの状態

  1. そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

※「何年空き家なら」ではなく、家の状態で判断されます。
※この一歩手前、「放置すれば特定空家になるおそれのある空き家」が、2023年に新設された「管理不全空家」です。勧告を受ければ、特定空家と同じように軽減が外れます。
出典:政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化」

「うちはまだ大丈夫」と思っているうちが、いちばん危ない。
わが家も、この話を知って、ようやく本気で動き出しました。

放置すると固定資産税が上がる仕組み(イメージ図)

空き家を放置 「管理不全空家」「特定空家」に勧告 住宅用地特例(1/6)が外れる 固定資産税が最大約6倍

特例あり
(軽減中=1)

特例が外れると
最大 約6倍

※あくまでイメージです。実際の税額は土地の評価額や自治体によって異なります。

そして、放置した実家は近所の方にとっては「隣の空き家」です。
軒下に蜂の巣ができても、遠方だと気づけません。
隣の空き家に蜂の巣ができたとき、近所の人が何をできるのか——その立場から見ると、放置のコストは税金だけではないことが分かります。

遠方だと「管理するだけ」で疲れてしまう

遠方の実家(空き家)の管理に通い、草むしりや掃除をする様子のイラスト

もうひとつ、地味につらいのが「管理の手間」です。

実家が遠いと、様子を見にいくだけで一日仕事。
郵便受けの整理、換気、庭の草むしり。
近所への気づかいも、ずっと続きます。

「ご近所に迷惑をかけていないか」
これが、地味に心の重しになります。

放火やゴミの不法投棄、台風での屋根の飛散——。
空き家は、近所トラブルの火種にもなりかねません。
「自分の家のことなのに、気が休まらない」。
これが、放置のもうひとつのコストでした。

放置をやめると決めたら、道は大きく4つ

重い腰を上げると決めたら、実家の行き先は、ざっくり4つでした。

売る……まとまったお金になり、管理から解放される
貸す……賃料は入るが、管理は続く
解体して更地に……売りやすくなるが、費用と税金に注意
当面きちんと管理して残す……思い出は残るが、コストは続く

どれにもいい面とつらい面があって、わが家は本当に迷いました。
この「売る・貸す・解体・残す」の中身と、最終的にどう決めたかは、別の記事にくわしく書いています。
迷っている方は、こちらもどうぞ。

※4つの選び方と、わが家が決めるまで → 実家を売る・貸す・解体で迷った話

まず「いくらになるか」を知るだけで、気持ちが軽くなる

動けない理由の多くは、「分からない」と「こわい」です。
いくらかかるのか。いくらで売れるのか。
それが見えないから、手が止まる。

わが家も、最初の一歩は「査定」でした。
無料で、今いくらの価値があるかを知る。
売る・売らないは、その数字を見てから決めればいい——。
そう思えたら、ふっと肩の力が抜けました。

築古でも、地方でも、まずは聞いてみる価値があります。
数字が出ると、家族の話し合いも一気に進みます。

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更地にする前に|解体は「税金が上がる」ことがある

「いっそ壊して更地に」と考える方も多いですが、ひとつ注意を。
住宅用地特例は「家が建っていること」が条件なので、更地にすると特例が外れ、土地の固定資産税が上がることがあります(税額は1月1日時点で決定)。
放置しても、更地にしても税金は上がりうる——だからこそ、まず査定で現実の数字を知るのが近道でした。
※売る・貸す・解体のどれを選ぶかは、実家を売る・貸す・解体で迷った話でわが家の決断を詳しくまとめています。

※この「解体工事110番」がどんな仕組みのサービスなのか——評判・無料の条件・見積書でチェックすべき点は、こちらで詳しく検証しています。
解体工事110番の評判・口コミは?実家や空き家の解体で失敗しない使い方と注意点

残された家財は、捨てる前に価値を確かめる

実家に残された家財や思い出の品を片づける(生前整理・遺品整理)様子のイラスト

家を動かす前に、中のものを片づける必要があります。
食器、着物、古い家具、写真、商売の道具——。これが想像以上に大変でした。

古い焼き物や着物には、思わぬ価値があることも。私は古物の仕事もしてきたので「捨てる前に査定を」と判断できました。
量が多くて手が回らない分は、空き家の清掃・不用品回収・遺品整理のプロに相見積もりでお願いしました。

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※家財・遺品整理のくわしい進め方は、こちらにまとめています → 親の遺品整理(費用と業者の選び方)/大量の着物は 実家を売ったら大量の着物が出てきた話

※家の中の物を買取に出すときの注意点は、こちらにまとめました。
出張買取ウリエルの評判・口コミは?親の家を片づける前に知っておきたい注意点

どんなものに値がつき、どれだけ手間がかかるのかは、実際に売ってみた体験談が参考になるかもしれません。

どうしても売れない・訳ありの実家は

一般の仲介では、なかなか売れない家もあります。
田舎で買い手がつきにくい。
事情があって、ふつうには売りづらい——。

そういう家でも、あきらめなくて大丈夫です。
売りにくい不動産を専門に買い取る会社があります。
「うちは無理かも」と思う家ほど、一度きいてみる価値があります。

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名義はそのまま? 2024年義務化の「相続登記」

親が亡くなって相続した家は、名義を相続人へ変えないと売ることも貸すこともできません。
この「相続登記」は2024年4月から義務化。相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象で、2024年4月より前に相続した家も対象(期限は2027年3月末)です。
(参考:東京法務局政府広報オンライン

登記や相続税は、専門家に一度相談すると見通しがよくなります。手続きを含めた売却の流れは、売る・貸す・解体で迷った記事もあわせてどうぞ。

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※対応エリア:東京都・埼玉県。相続登記がお済みでなくても、手続きから売却まで無料で相談できます。

売るなら知っておきたい「3,000万円の特別控除」|実は2種類あります

これは、知らないと本当に損をします。

実家を売って利益(譲渡所得)が出ると、そこに税金がかかります。
ところが一定の条件を満たすと、その譲渡所得から最高3,000万円まで差し引ける特例があります。

ここで大事なことを先に言います。
「3,000万円の控除」と呼ばれる制度は、まったく別のものが2つあります。
親が亡くなっているかどうかで、使う制度も期限も変わります。

あなたはどちら?

【A】親が亡くなって、相続した実家を売る

空き家の3,000万円特別控除(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)
期限=2027年12月31日までの譲渡

【B】親が存命で、親自身が住んでいた家を売る

居住用財産(マイホーム)の3,000万円特別控除
期限=住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

※売り主が誰かで決まります。親が存命なら、売るのは親自身です。

親が施設に入った、小さな家へ移った——。
このケースは【B】です。
「まだ相続していないから関係ない」ではなく、【B】のほうが期限は短いことがあります

【A】相続した空き家を売るとき

空き家の3,000万円特別控除 主な要件

  • 控除額は最高3,000万円。ただし令和6年1月1日以後の譲渡で、相続・遺贈で取得した相続人が3人以上のときは2,000万円まで
  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと(分譲マンションは対象外)
  • 相続の開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと(=親が一人暮らしだったこと。同居者がいると対象外)
  • 対象は「主として被相続人の居住の用に供されていた一の建築物」に限られること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続の時から譲渡の時まで、事業の用・貸付けの用・居住の用に供されていたことがないこと(人に貸していた・誰かが住んでいた場合は対象外)
  • 親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却でないこと
  • 売却期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡であること
  • あわせて、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

※ほかにも要件があります。使えるかどうかは必ず税務署または税理士にご確認ください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3306

ここで注意したいのが、「主として居住の用に供されていた一の建築物」という条件です。
1階が店舗や事務所で、上の階が住まい——。
そういう建物は、居住用と事業用が混ざっています。
【A】の空き家特例で使えるのかどうかは、素人が判断できるものではありません。
自宅兼店舗・自宅兼事務所の実家なら、売る前に税務署か税理士に確認してください
(なお【B】のマイホーム特例には、こうした建物のための取扱いがはっきり定められています。後ほど説明します。)

【B】親が存命で、親の家を売るとき

親が施設に入った、子の近くへ引っ越した。
このとき売るのは親自身です(名義が親なので当然そうなります)。
使うのは空き家特例ではなく、マイホームを売ったときの特例です。

居住用財産(マイホーム)の3,000万円特別控除 主な要件

  • 自分が住んでいた家を売った場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる
  • 以前に住んでいた家の場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に売ったものでないこと(生計を一にする親族、売った後にその家で同居する親族、内縁関係にある人を含む)

※空き家特例と違い、建築年(昭和56年5月31日以前)の条件はありません。ほかにも要件があるので、必ず税務署または税理士にご確認ください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3302

ここでいちばん見落とされやすいのが期限です。
「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」。
親が家を出た日から、もう時計は動いています。
「相続してから考えよう」と待っているあいだに、この特例のほうは終わってしまうことがあります。

もうひとつ。子が親から買い取るのは対象外です。
「他人に売るくらいなら家族で」と考える方は少なくありませんが、その形だとこの特例は使えません。

1階が店舗・事務所の実家は「対象外」ではありません

ここが、うちのような実家を持つ方にいちばん知ってほしいところです。

1階が店舗、2階が住まい。
商売をしていた実家には、よくある形です。
こういう建物は「事業に使っていたのだから、特例なんて無理だろう」と思われがちです。
でも、そうではありません。

国税庁は「店舗併用住宅を売ったときの特例」として、こう説明しています。
特例を受けられるのは、店舗併用住宅のうち自分の居住の用に使っていた部分に限られる
つまり——建物まるごとが対象外になるのではなく、住んでいた部分は対象になるということです。

自宅兼店舗・自宅兼事務所の実家を売るとき

  • 特例を受けられるのは、店舗併用住宅のうち自分の居住の用に使っていた部分に限られる
  • ただし居住の用に使っていた部分が全体のおおむね90パーセント以上のときは、全体を居住の用に使っていたものとして特例を受けられる
  • 按分は床面積で計算する(家屋=居住専用部分の床面積+居住・非居住の併用部分×居住率。敷地も同じ考え方で計算する)

⚠これは【B】居住用財産(マイホーム)の特例についての取扱いです。【A】空き家特例は「主として被相続人の居住の用に供されていた一の建築物」という別の条件があり、同じ扱いになるとは限りません。どちらの場合も、必ず税務署または税理士にご確認ください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3452「店舗併用住宅を売ったときの特例」

わが家は【B】でした。
義父母は存命で、相続は発生していません。
1階と2階が事務所と倉庫、3階が住まい。
住まいは3階だけなので、「おおむね90パーセント」には遠く届きません。
それでも「全部だめ」ではなく「住んでいた部分は対象になりうる」と分かるだけで、見え方がずいぶん変わりました。

実際にどう按分するかは、床面積の測り方ひとつで変わります。
ここは自分で判断せず、税務署か税理士に確認してください。
ただ、「事業に使っていたから全部だめ」と思い込んで、確認もせずに手放すのはもったいない——それだけは言えます。

お金をかけずに、今日できること

ここまで会社への相談を紹介してきましたが、お金をかけずにできることもあります
先にこちらを試してからでも、遅くありません。

① 市区町村の空き家相談窓口に聞く
解体費用の補助金を出している自治体があります。
また、空き家の活用や管理に取り組むNPO法人などを「空家等管理活用支援法人」に指定し、相談先として紹介している市区町村もあります。
まずは実家のある市区町村のウェブサイトを見るか、窓口に問い合わせてみてください。
(参考:政府広報オンライン

② 相続登記は、自分で申請する道もある
法務局は「登記手続案内」として、申請書の作成に必要な情報を案内しています。
完全予約制で1回20分以内、電話・窓口・ウェブ会議から選べます。
申請書の様式と記載例も、法務局のサイトで公開されています。
権利関係が複雑なら司法書士に頼むべきですが、単純なケースなら自分で進めることもできます。
(参考:法務局「登記手続案内」

③ どうしても手放せないときの「相続土地国庫帰属制度」
相続した土地を、国に引き取ってもらえる制度です(2023年4月27日開始)。
ただし、期待しすぎないでください。制約がかなりあります。

相続土地国庫帰属制度の注意点

  • 建物がある土地は、申請そのものができません(=先に解体が必要)
  • 担保権や使用収益権が設定されている土地、土壌汚染された土地、境界が明らかでない土地も申請できません
  • 審査手数料は土地一筆あたり14,000円。これとは別に負担金が必要です
  • 負担金は市街化区域外の宅地なら20万円。ただし市街化区域内・用途地域内の宅地は面積に応じた算定となり、20万円を超えることがあります(田・畑・森林も面積に応じた算定)
  • 崖がある土地、地下に除去すべきものがある土地などは、申請しても承認されないことがあります

出典:法務省「相続土地国庫帰属制度について」

建物があると使えない、という点が大きな壁です。
「解体費用を払ってでも国に引き取ってもらうか」「そのまま買い取ってもらうか」——
どちらが得かは、解体費と買取額を並べてみないと決められません。
だからこそ、先に数字を知っておくことが効いてきます。

放置をやめると決めるには、家族の温度差を越えて

実家をどうするか家族で話し合う(兄弟・家族会議)様子のイラスト

いちばん消耗したのは、家のことより「家族で気持ちをそろえる」ことでした。
「もう少し置いておけば」「いや、このまま放っておくほど負担が増える」——離れて暮らす兄弟ほど、温度差が出ます。

わが家がうまくいったのは、「お金の話」より先に「気持ちの話」をしたから。
さみしいよね、と認め合ってから、現実的な数字を一緒に見る。そして“放置の期限”を決める。
この順番が、停滞から抜け出す鍵でした。

重い腰を上げて、いま思うこと

実家じまいを決断し、前向きに一歩を踏み出す様子のイラスト

動いてみて、いちばん感じたのは——
「もっと早く動けばよかった」でした。

放置していた数年で、税金も管理の手間もかかり続けました。
建物も、その間に傷んでいきました。
早く動けば、その分だけラクだったはずです。

そして手放したあと、いちばん変わったのは、これでした。
義父母から毎年出ていっていたあの金額が、止まったのです。
固定資産税も、火災保険も、光熱費も。

いくらで売れたかを、ここに書くつもりはありません。
ただ、そばで見ていて思いました。
「出ていくお金が止まる」というのは、想像していたよりずっと大きなことです。
入ってくるお金より、止まったお金のほうが、家族にとっては大きかったと思います。

宙ぶらりんの時間が、いちばんしんどい。
「いつか決める」を「今、少しだけ動く」に変える。
それだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。

もし今、同じところで止まっているなら。
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よくある質問

Q. 空き家のままだと、固定資産税はどうなりますか?

家が建っているうちは、住宅用地特例で軽くなっています(固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1)。
ただし管理が悪く「管理不全空家」「特定空家」として勧告を受けると、その軽減が外れ、最大でおよそ6倍になることがあります。

Q. 何年くらい放置すると、特定空家になりますか?

「何年で」という決まりではなく、家の状態で判断されます。
草木の繁茂、屋根や壁の傷み、衛生上の問題などがあると、年数に関係なく対象になり得ます。

Q. 遠くて通えない実家は、どう管理すれば?

自分で通うのが難しいなら、早めに「売る・貸す・解体」のどれかへ動くのが現実的です。
まずは無料査定で数字を知ると、判断しやすくなります。

Q. 田舎で売れそうにない実家は?

一般の仲介で売りにくい家でも、買取を専門にする会社があります。
「うちは無理かも」と思う家ほど、一度きいてみてください。

Q. 市区町村から連絡が来たら、もう固定資産税は上がってしまいますか?

軽減が外れるのは「勧告」を受けた敷地です。
まず助言・指導があり、それでも状態が改善しない場合に勧告へ進みます。
つまり助言・指導の段階で改善すれば、勧告には進みません。
実際の扱いはお住まいの市区町村にご確認ください。

Q. 1階が店舗だった実家でも、3,000万円の控除は使えますか?

店舗併用住宅の場合、居住用財産(マイホーム)の特例を受けられるのは、自分の居住の用に使っていた部分に限られます。
ただし居住の用に使っていた部分が全体のおおむね90パーセント以上のときは、全体を居住の用に使っていたものとして特例を受けられます。
「事業に使っていたから全部対象外」ではありません。
なお空き家特例のほうは条件の立て付けが異なるため、いずれの場合も税務署または税理士にご確認ください。

Q. 実家を売ると、税金の特例はありますか?

「3,000万円の特別控除」と呼ばれる制度が2つあります。
親が亡くなって相続した空き家を売る場合は「空き家の3,000万円特別控除」で、昭和56年5月31日以前の建築であることなどの要件があり、使えるのは2027年12月31日までの譲渡までです。
親が存命で親自身が売る場合は「居住用財産(マイホーム)の3,000万円特別控除」で、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。
どちらも親子間の売買は対象外です。適用できるかどうかは、必ず税務署または税理士にご確認ください。

まとめ:放置のコストは、待つほど大きくなる

誰も住まない実家を放っておくと、
税金、管理の手間、建物の傷み——。
コストは、待つほど大きくなります。
最悪の場合、固定資産税が最大6倍になることも。

でも、最初の一歩は小さくて大丈夫です。
「売る・貸す・解体・残す」のどれにするかは、まだ決めなくていい。
まずは無料の査定で、実家が「いま、いくらか」を知る。
そこから、すべてが動き出します。

それに、売ると決めているなら期限もあります。
相続した空き家なら2027年12月31日までの譲渡、親が存命で親自身が売るなら住まなくなった日から3年
どちらも「まだ先」と思っているうちに、意外と近づいてきます。

宙ぶらりんの時間を、これ以上のばさないために。
今日、その小さな一歩を。

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※「売る・貸す・解体」で迷ったら → 実家を売る・貸す・解体で迷った話

※親の終活は、家のことだけではありません。あわせて読みたい → 親の遺品整理家族葬の費用親のお墓選び親が物を捨てられない・実家の片づけ親の古い生命保険は「お宝保険」かも

ロックのプロフィール画像

この記事を書いた人:ロック

 高齢の親を含め、身近に高齢者が多い環境で生活しています。
 若い頃は東証プライム上場企業で経理職に従事し、生命保険の資格[上級生命保険設計士(現シニア・ライフ・コンサルタント)]も取得しました。
 その後、数十年にわたり雑貨の卸売業に携わり、品質・安全性・使いやすさの視点で商品を見てきました。
別事業として古物営業法に基づく古物商許可(公安委員会の許可)も保有し、中古品の売買・流通にも従事しています。
 2005年からは個人で株式投資を続けており、リーマンショックも何とか乗り切りました。いまは国内の高配当株と投資信託が中心で、新NISAも活用しています。
 家族の実体験と公的・医療情報を参考にしながら、高齢者の暮らしに役立つ情報を発信しています。
 ※医療行為の代替を目的とした情報ではありません。

ご利用にあたって

本記事は執筆者個人の経験に基づく情報です。税制や法律は、個々の状況やお住まいの自治体によって適用が異なります。相続税・固定資産税の計算や、登記の手続きについては、必ず税理士・司法書士、または各自治体の窓口にご相談ください。制度は改正されることがあるため、最新の内容は公的機関の情報もあわせてご確認ください。

最終更新日:2026年8月

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