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親の介護は、ある日突然始まる。
よく聞く言葉ですが、私の場合は少し違いました。
突然だったのは父が倒れたこと、そこから始まったのは「介護の入口」、介護未満の日々でした。
この記事は、50代の私が親の介護の入口に立ってからの記録です。
毎日介護をしている方の壮絶な体験記ではありません。
90代の父が脳梗塞で倒れ、要介護1の認定を受け、それでもまだ介護サービスを使っていない——そんな中途半端な、でもたぶん一番人数が多い段階の話です。
同じように「うちも、まだ介護というほどではないけれど」と感じている方に、先に経験した分だけの情報と、正直な気持ちを残しておきます。
・2026年3月、90代の父が脳梗塞で倒れ、救急車で運ばれた
・入院してすぐ介護保険を申請。認定調査から約3週間で要介護1の認定
・介護サービスは、まだ使っていない(両親の「自分たちで生活したい」を尊重中)
・ふだんは80代の母から電話で様子を聞く。実家までは往復3時間
・並行して、80代の義父母にも玄関での転倒骨折や免許返納があった
・施設は「入れるため」ではなく「調べておくため」に情報集めだけ始めた
・この記事では、この「介護未満」の時期に仕込めることを、経験した範囲で書いています
90代の父が脳梗塞で倒れた日から、親の介護は始まった

2026年3月、90代の父が脳梗塞で倒れて、救急車で運ばれました。
連絡を受けたとき、頭が真っ白になったかというと、実はそうでもありませんでした。
「ついに来たか」という感覚のほうが近かったです。
90代の親を持つというのは、そういう覚悟をどこかで毎日しているということなのだと、あとから気づきました。
幸い、父は命を取り留めました。
そして私が最初にやった「介護」は、看病でも付き添いでもなく、役所への電話でした。
入院してすぐ、介護保険を申請したのです。
認定より前にさかのぼって介護サービスの費用を請求できるのは申請日まで、と聞いていたからです。
これは、あとで調べたらそのとおりの制度でした。
要介護認定の効力は、申請日にさかのぼって発生します(介護保険法第27条)。
さらに、結果を待っている間も「暫定ケアプラン」を作ってもらえば、介護保険サービスを使い始めることができます(神戸市FAQ)。
ただし、注意がひとつ。
申請が却下されたり、認定が「非該当」になったりした場合は、使った分が全額自己負担になります。
結果が出る前に使いたいときは、必ず市区町村の窓口かケアマネジャーに相談してからにしてください。
このあたりの手続きの流れと、私がやらかした失敗——認定調査に立ち会わず、父が調査員さんに、ほとんどのことを「自分でできる」と答えていた話——は、介護認定調査の記事に詳しく書きました。
これから調査を迎える方は、先にそちらを読んでもらったほうが役に立つと思います。
要介護1。でも介護サービスは使っていない——親の意思と、子の心配のあいだ
認定調査から約3週間で、父に要介護1の通知が届きました。
では、いまヘルパーさんが来ているのか、デイサービスに通っているのか。
答えは「どちらもまだ」です。
うちの「介護未満」ここまでの経過
両親は「自分たちで生活したい」と言っています。
日常的に父を見ているのは、80代の母です。
私は少し離れた町に住んでいて、実家までは往復3時間。
いまのところ、母から電話で様子を聞く——それが私の「介護未満」の日常です。
同時に80代の義父母の様子も見に行っています。
正直に言うと、この状態には迷いがあります。
認定を取ったのに使わないのは、もったいないのではないか。
母の負担が、少しずつ積もっているのではないか。
でも、本人たちが望まないサービスを、子どもの安心のために押し込むのは違う気もする。
この「あいだ」で揺れているのが、いまの正直な現在地です。
ひとつだけ決めているのは、認定は「切符」だということです。
要介護認定さえ取ってあれば、母が限界になったとき、父の状態が変わったとき、すぐにサービスにつなげられます。
使う・使わないの判断は先送りにしても、使える状態だけは先に作っておく。
これが、離れて暮らす50代の子どもにできる、現実的な備えだと考えています。

わかるなぁ。
うちも父が入院したときだけバタバタして、ふだんは電話するだけ。

僕も介護の入口に立った状態だったよ。
でも介護未満でも、心配は毎日あるんだよね。
80代の義父母のこと——玄関の転倒骨折、免許返納、実家じまい

親の介護というと自分の親の話になりがちですが、50代の現実は違います。
妻の両親——80代の義父母のことも、同じ時期に同時進行で起きていました。
義父は、玄関で転んで肋骨を折り、救急車で運ばれました。
骨折そのものより、「玄関」という毎日必ず通る場所で転んだことが衝撃で、そこから転倒防止の工夫を調べて実行しました。
そのときの記録は高齢者の玄関の工夫の記事にまとめています。
義母は、運転免許を返納しました。
と書くと簡単そうですが、実際は一度目の説得では黙り込んでしまい、決めたのは二度目でした。
何が効いたのかは免許返納を説得できなかった記事に書いたとおりです。
さらにその前には、義父母が長く商売をしていた大きな家を手放す「実家じまい」もありました。
片づけだけで約2か月。
このときの一部始終は実家じまいブログと実家の片付けブログに分けて記録しています。
つまり50代の「親の介護」は、1人の親の介護ではありません。
私の場合、90代の父、80代の母、80代の義父、80代の義母——4人の親の「老い」に、順番も選べず、同時に向き合うことでした。
そしてこれは、私が特別なのではなく、40〜60代なら誰にでも起こりうる標準的な状況だと思います。
私を取り巻く「4人の親」の現在地
父(90代)
今年の春に脳梗塞で倒れ、要介護1。サービスはまだ使っていない
母(80代)
日常的に父を見ている。私はこの母から電話で様子を聞く
義父(80代)
玄関で転倒して肋骨を骨折。転倒対策を実行した
義母(80代)
運転免許を返納(決めたのは2回目の話し合い)。実家じまいも経験
50代の親の介護は「介護未満」から始まる
介護ブログを探すと、毎日オムツを替え、夜中に起こされ、仕事を辞めるかどうか悩む——そんな重い記録がたくさん見つかります。
読むたびに、頭が下がります。
うちはまだそこじゃない。
要介護認定は取ったけれど、サービスは使っていない。
倒れたときだけ駆けつけて、ふだんは電話だけ。
もちろん不便な部分や重いものを運ぶ時などは手伝いに行きますが。
うちは介護の入口、「介護未満」の状態なのだろうと思います。
介護未満の期間にできることは、実はたくさんありました。
介護保険の申請もそう。
玄関の手すりもそう。
免許返納の話し合いも、実家の片づけも、ぜんぶ「まだ介護じゃない」時期だからこそ、親と話し合いながら進められたことです。
本格的な介護が始まってからでは、たぶん体力も気持ちも足りなかったと思います。
・介護保険の申請と認定(認定調査の記事)
・住まいの安全=玄関まわりの転倒対策(玄関の工夫の記事)
・運転をどうするかの話し合い(免許返納の記事)
・実家の物の片づけ(実家の片付けブログ)
・施設の情報集め(この後の章で書きます)
・きょうだいで一度、同じ紙を見ながら話す(兄弟の温度差の記事)
だからもし、いまのあなたが「介護というほどではない」段階にいるなら、それは何もできない時期ではなく、一番いろいろ仕込める時期です。
焦って何かを始める必要はありませんが、「今は仕込みの時期だ」と捉え直すだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。
親の介護のストレスは「介護そのもの」より「重なること」だった

この1年で一番きつかったことを、正直に書きます。
それは父の看病や手続きそのものではなく、「重なったこと」でした。
父が救急車で運ばれたのと同じ時期に、息子の就職が決まり、遠方への引っ越しの手伝いがありました。
住んでいた賃貸マンションの退去処理も重なりました。
さらに、叔父——母の弟の見舞いに通っていた時期でもあり、その叔父は亡くなりました。
ひとつひとつは、なんとかなることです。
でも、全部が同じ季節に来ました。
同じ季節に重なったこと
ひとつひとつは、なんとかなる。でも、全部が同じ季節に来た。
あとから気づいたのは、50代とはそういう年代だ、ということです。
親の老いと、子どもの独立と、身内の死が、同じ数年間に折り重なってやってくる。
どれも人生の大事な節目なのに、ひとつずつ丁寧に味わう余裕がない。
介護のストレスの正体は、介護だけを見ていても分からないのだと思います。

重なるときって、本当に一気に来るよね。
うちも母の通院が増えた年に、ちょうど子どもの受験だった。
どっちも手を抜けないのがつらいんだよね

そうなんだよ。
体はなんとか動くんだけど、気持ちの置き場がなくなるんだ。
僕は「全部は無理だ」って声に出して認めたら、少し楽になったよ
では、どう折り合ったか。
特別な方法はありませんでしたが、やめたことと、頼ったことなら書けます。
やめたのは、「全部に同じ熱量で向き合うこと」です。
あの時期の私は、父のこと以外は6割の出来でよしとしました。
頼ったのは、家族と、プロと、情報です。
介護に疲れて気持ちが限界に近い方は、介護で親のわがままに限界を感じたときの記事と、「親の面倒を見たくない」と思ってしまう気持ちの記事に、逃げ道を具体的にまとめてあります。
兄弟姉妹との分担に悩んでいる方には、兄弟の温度差の記事が役に立つはずです。
施設は「入れるため」でなく「調べておくため」——妹と実家でパンフレットを見た日

もうひとつ、介護未満の時期にやってよかったことがあります。
施設の情報集めです。
父の件のあと、妹と実家で、施設のパンフレットを見ながら話をしました。
誰かを施設に入れる話をしたのではありません。
「もしもの時、どういう選択肢があるのか」を、きょうだいで一度、同じ紙を見ながら共有しておきたかったのです。
パンフレットを読んで分かったのは、施設は「入りたい」と思った日に入れるものではない、ということでした。
人気の施設には空き待ちがありますし、費用も設備もまるで違います。
いざという日に、ゼロから調べ始めるのと、選択肢が頭に入っているのとでは、慌て方が全然違うはずです。
施設の情報集めには、全国の老人ホームを口コミや費用、空室状況で比較できる検索・相談サービスもあります。
私が「無料で使えるカラクリ」まで調べた結果はいい介護の評判・口コミの記事に書きました。
いざという時のために、施設の情報だけ集めておきたい方へ
「いい介護」は、口コミ・動画・費用や空室状況から全国の老人ホーム・介護施設を比較できる検索サイトです。経験豊富な専門の入居相談員に、施設探しのお困りごとから見学予約まで無料で相談できます。運営は、東証プライム上場の株式会社鎌倉新書のグループ会社・株式会社エイジプラスです。
「いい介護」で施設を探す・相談する(無料)在宅のまま、介護保険では頼めない部分だけ手を借りたい——という場合は、自費の訪問介護という選択肢もあります。
仕組みと料金はイチロウ(自費・保険外の訪問介護)の記事で検証しています。
よくある質問
Q. 親の介護は、実際なにから始まりましたか?
うちの場合は「役所への電話」からでした。
父が入院してすぐ、介護保険の申請に必要なものを市役所に電話で確認し、窓口で手続きしました。
流れと準備は介護認定調査の記事にまとめています。
Q. 離れて住んでいて、何もできていない気がします
私も往復3時間の距離で、ふだんは母から電話で様子を聞くだけです。
それでも、電話で聞いた「最近の様子」を覚えておく(できればメモする)だけで、認定調査や医師への説明のときに効いてきます。
何もしていないようで、情報は積み上がっています。
それでも何か動きたくなったら、最初の相談先は、親が住む市区町村の「地域包括支援センター」です。
認定を受ける前の段階から、無料で相談できます。
離れて暮らす親の見守りの選択肢は、見守りサービス比較の記事にまとめています。
Q. 要介護認定だけ取って、サービスを使わないのはアリですか?
うちが今まさにその状態です。
ただし、認定には有効期間があります。
新規は原則6か月、更新後は原則12か月です(状況により3〜48か月の幅で決まります。船橋市の案内)。
使わないまま期限が来たら、更新するか、いったん手放して必要になったときに再申請するかを選ぶことになります。
期限のある切符だからこそ、「使える状態を先に作っておく」こと自体は、離れて暮らす家族の現実的な備えだと考えています。
本人の意思を無視してサービスを押し込むより、使いたくなった時にすぐ動ける準備を優先しました。
Q. 50代で親の介護。仕事や生活との両立が不安です
一番大事なのは、介護のために自分の仕事と生活を先に壊さないことだと思っています。
費用の話や「プロに渡す」という考え方は、親の面倒を見たくないと思ってしまう気持ちの記事の後半に、訪問介護やショートステイの自己負担のしくみと合わせて書きました。
まとめ:親の介護ブログとして、この記録はこれからも続きます

最後に、この記録の現在地をまとめます。
・90代の父は要介護1。介護サービスはまだ使わず、80代の母と二人の生活を続けている
・離れて暮らす私の介護は「母から電話で様子を聞く」こと。それでも情報は積み上がる
・50代の親の介護は「介護未満」から始まる。この時期こそ、申請・住まいの安全・話し合いの仕込みどき
・ストレスの正体は介護そのものより「人生の節目が重なること」だった
・施設は入れるためでなく、調べておくため。情報集めに早すぎることはない
・全部に同じ熱量で向き合うのは無理。あの時期は、父のこと以外は6割の出来でよしとした
介護の記録なのに、介護らしい場面がほとんど出てこない記事になりました。
でも、それがいまの等身大です。
父の状態も、母の頑張りも、義父母の暮らしも、これから必ず変わっていきます。
変わったら、また正直に書き足します。
同じ「介護未満」のあなたの、少し先を歩く記録として使ってもらえたら嬉しいです。
今日できることを、ひとつだけ挙げるなら。
親の「いまの様子」を、日付をつけてどこかにメモしておいてください。
書くことは、たとえば——転んだ・つまずいた、薬の飲み忘れ、同じ話の繰り返し、食事や入浴の様子、夜中のトイレの回数。
父の認定調査で痛感した、「できない日」の記録です。
それが介護保険の申請でも、調査でも、家族の話し合いでも、必ず効いてくる一歩目です。
そして、施設の情報だけでも先に集めておきたくなったら、無料で使える窓口があります。
「調べておくだけ」から始めたい方へ——無料の施設探し窓口
「いい介護」は、口コミ・動画・費用や空室状況から全国の老人ホーム・介護施設を比較できる検索サイトです。経験豊富な専門の入居相談員に、施設探しのお困りごとから見学予約まで無料で相談できます。運営は、東証プライム上場の株式会社鎌倉新書のグループ会社・株式会社エイジプラスです。
「いい介護」で施設を探す・相談する(無料)介護保険の申請・認定・サービス利用の具体的な条件や手続きは、お住まいの自治体の窓口・地域包括支援センター・ケアマネジャーにご確認ください。
制度のしくみは 厚生労働省「要介護認定」 でも確認できます。

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